(みなみ司法書士合同事務所)























































































 当事務所は、東京都墨田
 区錦糸町に事務所をおき、
 主に東京、埼玉、千葉、神
 奈川にて営業しています。
 また、上記以外の地区にも
 出張可能ですので、遠方に
 お住まいの方もお気軽にお
 問合せ下さい。









遺言能力とは




  ■遺言を有効に作成することができる能力


    遺言は、被相続人の最終の意思を法的に実現しようとする制度ですから、遺言を有
   効にするためには、物事に対する一応の判断ができる意思能力が必要となります。
    この遺言を有効にすることができる能力を遺言能力といいます。

    民法では、未成年者、成年被後見人、被保佐人、被補助人の行為能力を一部制限し
   ていますが、遺言については、これを適用せず、下記のとおり意思能力ある限り単独
   で遺言をすることができる(遺言能力がある)としています。


    未成年者・・・・未成年者は、15歳に達しており、かつ意思能力があれば、遺言
            能力があり、法定代理人の同意なしに単独で遺言をすることがで
            きます。
            この場合、法定代理人の同意がないことを理由として遺言を取り
            消すことはできません。

    成年被後見人・・成年被後見人は、意思能力を回復しているときは、遺言能力があ
            り、意思能力が回復したことを証明する医師2人以上の立会の下
            に、単独で遺言をすることができます。
            この場合、成年被後見人であることを理由として遺言を取消すこ
            とはできません。

    被保佐人・・・・被保佐人は、遺言能力があり、保佐人の同意なしに、単独で遺言
            をすることができます。

    被補助人・・・・被補助人は、遺言能力があり、補助人の同意なしに、単独で遺言
            をすることができます。


    遺言をする者は、遺言をする時に意思能力を有していなければなりません。
 
    遺言をする時に意思能力を有していれば、その後に認知証等によって意思能力を失
    ったとしても、その遺言が無効になることはありません。




  ■判例(老人性痴呆者の遺言 有効・無効事例)


  (有効例)

   1.東京高裁 平成4年9月2日判決
     「言語状態もしっかりしていること、全身状態もよくなってきたため、4月1日
      御退院と話したのが3月29日であり、その後退院準備のため外泊を許可した」
      等の主治医の証言等によって意思能力ありと判断した事例。

   2.和歌山地裁 平成6年1月21日判決
     「最初の痴呆症の出現は昭和63年3月ころからで、同年7月ころには医師にも
      痴呆症状の出現が確認されているが、同年7月ころは痴呆症状の程度はそれ程
      ひどくないもので、意識は清明で受け答えもはっきりしており〜」等の理由に
      より、遺言能力があり、遺言を有効と判断した事例。

   3.千葉地裁 昭和61年11月10日判決
     「高齢の上、パーキンソン病症候群にかかって言語障害、幻覚、妄想の症状もみ
      られ、通常人に比べその精神能力が相当程度低下していたことは認められが、
      認定事実によれば、遺言の作成に要求される意思能力まで欠いていたとは認め
      られない」として遺言能力があり、公正証書遺言を有効と判断した事例。


  (無効例)

   1.東京地裁 平成5年2月25日判決
     「作成当時、その内容と効果を理解した上でこれを書く能力がなかった」として
      遺言能力がなく、自筆証書遺言を無効と判断した事例。

   2.宮崎地裁日南支部 平成5年3月30日判決
     「作成当時、中等度以上の痴呆状態にあったと認められ、精神医学上の精神能力
      の点からも、本件遺言作成経過及びその当時の遺言者の言動等からも本件遺言
      の内容を理解し、本件遺言をすることから生じる結果を弁識判断する能力はな
      かった」として遺言能力がなく、公正証書遺言を無効と判断した事例。

   3.名古屋高裁 平成5年6月29日判決
     「本件遺言当時は正常な判断力、理解力、表現力を欠き、老人特有の中等度ない
      し高度の痴呆状態にあったものと推認されるが、遺言者には、記銘、記憶力の
      障害があり、簡単な日常会話は一応可能であっても、表面的な受け答えの域を
      出ないものであり、○○園長が本件遺言書作成の翌日遺言者に対して昨日の出
      来事を訊ねても、本件遺言をしたことを思い出せない状況であったこと、同園
      入園に際し、○○係長が出発を促しても反応がなく、うつろな状態であったこ
      と、遺言者は控訴人とこれまでほとんど深い付き合いがなかったので、本件不
      動産35筆を含む全財産を同人に包括遺贈する動機に乏しいし、全財産を遺贈
      し、遺言者姉弟の扶養看護から埋葬まで任せることは重大な行為であるのに姉
      には何らの相談をしていないのみならず、控訴人から話が出てわずか5日に間
      に慌ただしく改印届をしてまで本件遺書を作成する差迫った事情は全くなかっ
      たこと等を総合して考えると、本件遺言当時、遺言行為の重大な結果を弁識す
      るに足るだけの精神能力を有しておらず、意思能力を欠いていたものと認める
      のが相当である」として特別養護老人ホームに入所していた遺言者の公正証書
      遺言を遺言能力がなく、無効と判断した事例。

   4.東京地裁 平成10年6月12日判決
     「遺言当時、老人生痴呆の改善がなく、意思能力を欠いていた」として自筆証書
      遺言を遺言能力がなく、無効と判断した事例。




  ■法令


   第961条(遺言能力)
   1 十五歳に達した者は、遺言をすることができる。


   民法962条
   1 第五条、第九条、第十三条及び第十七条の規定は、遺言については、適用しな
     い。


   民法963条
   1 遺言者は、遺言をする時においてその能力を有しなければならない。


   民法5条(未成年者の法律行為)
   1 未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。
     ただし、単に権利を得、又は義務を免れる法律行為については、この限りでな
     い。
   2 前項の規定に反する法律行為は、取り消すことができる。
   3 第一項の規定にかかわらず、法定代理人が目的を定めて処分を許した財産は、そ
     の目的の範囲内において、未成年者が自由に処分することができる。目的を定め
     ないで処分を許した財産を処分するときも、同様とする。


   民法9条(成年被後見人の法律行為)
   1 成年被後見人の法律行為は、取り消すことができる。ただし、日用品の購入その
     他日常生活に関する行為については、この限りでない。


   民法13条(保佐人の同意を要する行為等)
   1 被保佐人が次に掲げる行為をするには、その保佐人の同意を得なければならない。
     ただし、第九条ただし書に規定する行為については、この限りでない。
   一 元本を領収し、又は利用すること。
   二 借財又は保証をすること。
   三 不動産その他重要な財産に関する権利の得喪を目的とする行為をすること。
   四 訴訟行為をすること。
   五 贈与、和解又は仲裁合意(仲裁法 (平成十五年法律第百三十八号)第二条第一 
     項に規定する仲裁合意をいう。)をすること。
   六 相続の承認若しくは放棄又は遺産の分割をすること。
   七 贈与の申込みを拒絶し、遺贈を放棄し、負担付贈与の申込みを承諾し、又は負
     担付遺贈を承認すること。
   八 新築、改築、増築又は大修繕をすること。
   九 第六百二条に定める期間を超える賃貸借をすること。
   2 家庭裁判所は、第十一条本文に規定する者又は保佐人若しくは保佐監督人の請求
     により、被保佐人が前項各号に掲げる行為以外の行為をする場合であってもその
     保佐人の同意を得なければならない旨の審判をすることができる。ただし、第九
     条ただし書に規定する行為については、この限りでない。
   3 保佐人の同意を得なければならない行為について、保佐人が被保佐人の利益を害
     するおそれがないにもかかわらず同意をしないときは、家庭裁判所は、被保佐人
     の請求により、保佐人の同意に代わる許可を与えることができる。
   4 保佐人の同意を得なければならない行為であって、その同意又はこれに代わる許
     可を得ないでしたものは、取り消すことができる。


   民法17条(補助人の同意を要する旨の審判等)
   1 家庭裁判所は、第十五条第一項本文に規定する者又は補助人若しくは補助監督人
     の請求により、被補助人が特定の法律行為をするにはその補助人の同意を得なけ
     ればならない旨の審判をすることができる。ただし、その審判によりその同意を
     得なければならないものとすることができる行為は、第十三条第一項に規定する
     行為の一部に限る。
   2 本人以外の者の請求により前項の審判をするには、本人の同意がなければならな
     い。
   3 補助人の同意を得なければならない行為について、補助人が被補助人の利益を害
     するおそれがないにもかかわらず同意をしないときは、家庭裁判所は、被補助人
     の請求により、補助人の同意に代わる許可を与えることができる。
   4 補助人の同意を得なければならない行為であって、その同意又はこれに代わる許
     可を得ないでしたものは、取り消すことができる。









相続の各手続や遺産分割の方法、遺言書の作成などお気軽にご相談ください。














みなみ司法書士合同事務所
Copyright(C)2002 .All rights reserved

                                 page遺言能力