(みなみ司法書士合同事務所)























































































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遺言無効確認




  遺言無効確認


   事件名 遺言無効確認等請求事件
   裁判年月日 平成22年03月16日
   法廷名 最高裁判所第三小法廷


   判示事項 固有必要的共同訴訟において合一確定の要請に反する判決がされた場合と
        不利益変更禁止の原則

   裁判要旨 原告甲の被告乙及び丙に対する訴えが固有必要的共同訴訟であるにもかか
        わらず,甲の乙に対する請求を認容し,甲の丙に対する請求を棄却すると
        いう趣旨の判決がされた場合には,上訴審は,甲が上訴又は附帯上訴をし
        ていないときであっても,合一確定に必要な限度で,上記判決のうち丙に
        関する部分を,丙に不利益に変更することができる。




   主  文

   1 原判決を破棄し,第1審判決主文第2項中,上告人らに関する部分を取り消す。
   2 被上告人と上告人らとの間において,上告人Y がAの相続財産につき相続人の
     地位を有しないことを確認する。
   3 訴訟の総費用は上告人らの負担とする。

   理  由

   第1 上告人Y の代理人天野茂樹及び上告人らの代理人北村明美の各上告理由2に
     ついて
   1 民事事件について最高裁判所に上告をすることが許されるのは,民訴法312条
    1項又は2項所定の場合に限られるところ,上告人Y の代理人天野茂樹の上告理由
    は,理由の不備をいうが,その実質は事実誤認又は単なる法令違反を主張するもの
    であって,上記各項に規定する事由に該当しない。
   2 上告人らの代理人北村明美の上告理由は,上告人Y の関係では,これを記載した
    書面が民訴規則194条所定の上告理由書提出期間後に提出されたことが明らかで
    あり,上告人Y との関係では,民訴法312条1項又は2項に規定する事由を主張
    するものではないことが明らかである。
 
  第2 職権による検討
     上告人らの代理人北村明美の所論にかんがみ,職権をもって検討する。
   1 原審の適法に確定した事実関係の概要は,次のとおりである。
   (1)Aは,平成17年12月17日に死亡した。
   (2)上告人Y ,同Y 及び被上告人は,いずれもAの子である。
   (3)上告人Y は,第1審判決別紙のとおりのA名義の遺言書を偽造した。
   2 本件は,被上告人が,上告人らに対し,上告人Y が民法891条5号所定の相
    続欠格者に当たるとして,同Y がAの相続財産につき相続人の地位を有しないこ
    との確認等を求める事案である(以下,上記確認請求を「本件請求」という。)。
   3 第1審は,本件請求を棄却したため,被上告人がこれを不服として控訴したとこ
    ろ,原審は,本件請求を棄却した第1審判決を上告人Y に対する関係でのみ取り
    消した上,同Y に対する本件請求を認容する一方,同Y に対する被上告人の控訴
    を,控訴の利益を欠くものとして却下した。
   4 しかしながら,原審の上記判断は,以下の(1)及び(2)の各点において,是認する
    ことができない。その理由は,次のとおりである。
   (1)被上告人の上告人Y に対する控訴の適否について
   1 本件請求に係る訴えは,共同相続人全員が当事者として関与し,その間で合一に
    のみ確定することを要する固有必要的共同訴訟と解するのが相当である(最高裁平
    成15年(受)第1153号同16年7月6日第三小法廷判決・民集58巻5号1
    319頁)。したがって,本件請求を棄却した第1審判決主文第2項は,被上告人
    の上告人Y に対する請求をも棄却するものであるというべきであって,上記3の
    訴訟経過に照らせば,被上告人の上告人Y に対する控訴につき,控訴の利益が認
    められることは明らかである。
   (2)本件請求に関する判断について
   ア 本件請求に係る訴えは,固有必要的共同訴訟と解するのが相当であることは前示
    のとおりであるところ,原審は,本件請求を棄却した第1審判決を上告人Yに対す
    る関係でのみ取り消した上,同Y に対する本件請求を認容する一方,同Yに対す
    る控訴を却下した結果,同Y に対する関係では,本件請求を棄却した第1審判決
    を維持したものといわざるを得ない。このような原審の判断は,固有必要的共同訴
    訟における合一確定の要請に反するものである。
   イ そして,原告甲の被告乙及び丙に対する訴えが固有必要的共同訴訟であるにもか
    かわらず,甲の乙に対する請求を認容し,甲の丙に対する請求を棄却するという趣
    旨の判決がされた場合には,上訴審は,甲が上訴又は附帯上訴をしていないときで
    あっても,合一確定に必要な限度で,上記判決のうち丙に関する部分を,丙に不利
    益に変更することができると解するのが相当である(最高裁昭和44年(オ)

   第3 16号同48年7月20日第二小法廷判決・民集27巻7号863頁参照)。
   1  そうすると,当裁判所は,原判決のうち上告人Y に関する部分のみならず,同
    Yに関する部分も破棄することができるというべきである。
    以上によれば,上記各点に係る原審の判断には,判決に影響を及ぼすことが明らか
    な法令の違反があり,原判決は,全部破棄を免れない。そして,上記事実関係によ
    れば,上告人Y は民法891条5号所定の相続欠格者に当たるというべきところ,
    記録によれば,同Y 及び同Y は,第1審及び原審を通じて共通の訴訟代理人を選
    任し,本件請求の当否につき,全く同一の主張立証活動をしてきたことが明らかで
    あって,本件請求については,同Y のみならず,同Y の関係においても,既に十
    分な審理が尽くされているということができるから,第1審判決のうち同Y及び同
    Yに対する関係で本件請求を棄却した部分を取り消した上,これらの請求を認容す
    べきである。
     なお,上告審は,上記のような理由により原判決を破棄する旨の判決をする場合
    には,民訴法319条並びに同法313条及び297条により上告審の訴訟手続に
    準用される同法140条の規定の趣旨に照らし,必ずしも口頭弁論を経ることを要
    しないものというべきである。
     よって,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。









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